組織の協同と人の協働

 月日の流れは早いもので、今年も半分が終わり7月を向かえました。皆様方には益々ご壮健のこととお慶び申し上げます。また、平素より協会運営にご協力賜り深く感謝申し上げます。新体制となり理事の意識の内には、会員(員外の参加者も歓迎)相互の理解・交流を図る為、親睦会・研究会を開催しようとする思いがあります。具体化しましたなら改めてお知らせ致します。
月日の話に戻ります。7月となり想起しますことは、現在の「西暦」グレゴリオ暦のことです。日本では西暦1872年に当たる明治5年に太陰暦から太陽暦(グレゴリオ暦)に改暦しました(私は二十四節季が日本人には合うと思っていますが)。
グレゴリオ暦は、ユリウス暦を改良することで作られた暦と言われています。その為、基本的な点については、閏年の数以外、両者に大きな違いとのことです。7月Julyの由来は古代ローマのユリウス・カエサル、英語読みではジュリアス・シーザーに由来します。またカエサルの後継者はオクタヴィアヌス、後にアウグストゥスと呼ばれる初代ローマ皇帝なので、彼らの物故後この2人の英雄を称える意味で7月をユリウス=カエサルにちなんでJulyに、8月をアウグゥストゥスにちなんでAugustにしたと言われています。
このカエサルは共和政ローマ末期、ポンペイウス、クラッススと共に三頭政治を行いました。3人で主体的に運営等を行う体制のことをソビエト連邦においはトロイカ体制と呼びました。
 さて、当協会は一般社団法人です。一般社団法人は、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)」に基づいて設立された社団法人のことを指します。一般社団法人の特徴としては、非営利の法人、つまり剰余金を構成員に分配しない非営利の法人です。組織運営ですから当然収益は必要です。しかし利益を上げても良いが剰余金の分配は行えない意味です。その他と特徴として事業目的に制限が無い、設立期間が比較的短い、設立時に財産の拠出は不要、少人数スタートが可能、基金による資金調達が可能、監督官庁が無い等の特徴があります。

 

しかし少人数でスタート出来る制度ですが、現在の当協会は会員数40名強で、今後とも会員増強に努め組織拡大を図り、地元経済と中小企業者の発展に貢献して参りたいと考えています。言わば制度的特性以外にこの組織は前述の貢献を果たす為、一部の人によるトロイカ体制では無く、それぞれの担当を明確にし全役員と共に会員が一丸となって業務を推進する、組織の協同・人の協働を目指しています。
今経済は、株価に代表される様に一時4万円を突破し3万9千円台で推移する等、好転しているように見えます。しかし円安、中国経済の減退を背景とした外人の買い越しによる相場であり国内経済のファンダメンタルズに依るものでは無いと思います、取り分け中小企業者の景況は改善は遅れています。デービット・アトキンソン氏のような極論は別とし、日本経済、特に地方経済は中小企業により支えられています。茲に我々の責務の重大があると思慮します。
失われた30年、羹に懲りて膾を吹くが如く、変革、進化を試みず、昨日のホームランで今日の試合に臨んだ結果が長い低迷を生みました。その間人口問題も進展し構造的減退を招いています。
株式相場を以て経済の隆盛を判断することは間違っていると思います。
相場の格言には、「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、陶酔の中で消えていく」というものがあります。 これは米著名投資家ジョン・テンプルトンの言葉で、株式市場について、多くの市場参加者が悲観的になっている時が買い場であり、逆に楽観的になっている時が売り場・崩れる、ということを意味しています。
中小企業者は株式相場の恩恵を受ける上場企業とは異なります。
このことに鑑み、中小企業診断士協会は組織の充実を成し遂げ、「組織の協同・人の協働」を以て地元と中小企業者を足元から支え、地域経済の活性化を図り、地方経済の復活を以て真の経済成長に貢献していくことが重要と考えます。7月の声を聞いた今日この頃、会員各位、有資格者の皆様に雑感を申し上げる次第です。

追記 次回は、金利は通貨の価格調整機能である故、時間価値~現価・年価・終価が成り立ち、また企業価値も同様であることを申し述べたいと思います。

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